■四柱推命の干合の相性
四柱推命の基本的な要素に十干があります。 十干は「甲」「乙」「丙」「丁」「戊」「己」「庚」「辛」「壬」「癸」の十個の要素となります。 陰陽五行思想の背景を持ち、「甲 木行の兄(陽)」「乙 木行の弟(陰)」~「壬 水行の兄(陽)」「癸 水行の弟(陰)」というような、五行と陰陽を表すものが十干となります。 十干にはそれぞれ特徴的な象意があり、天干とも呼ばれ、四柱推命で看命する際には非常に重要な要素でもあります。 特に日柱を構成する六十干支の十干(日干)は、日主とも呼ばれ、命式内でも体神として自分自身を表すものとされています。
干合とは、この十干同士が特別に引き合う相性となり、互いの十干の意味や背景に強い影響を与える関係性となります。 干合は四柱推命においての古典的な象意を背景にしているため、十干と十干の関係性や相性を表す通変星の概念も大事になります。 陰陽五行思想を背景にし、男性性が強くなる陽干は、その妻となる正財にあたる十干と特別な相性となるのが干合になります。 女性性が強くなる陰干は、その夫となる正官にあたる十干と特別な相性となるのが干合となります。
陰陽五行と通変星の相生相剋の関係性を背景として考えることが大事であり、陰陽の剋は友情の剋とされ、剋の関係の中に深い愛情があるというのが背景となります。 この干合となる組み合わせは、非常に強く惹かれ合う相性であり、日干が干合となる人物同士は相性が良い関係性となります。 相性が良いのと好き、嫌いは別の問題にはなりますが、心地の良い相性や関係性となるのが干合の関係性となります。
▼干合の覚え方と基本背景
干合の関係の覚え方の基本となるのは、「陽干(男)は正財(妻)と干合する」「陰干(女)は正官(夫)と干合する」という概念になります。 十干の基本は、「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」であり、基準となる干の次から5個目となります。 「己」で折り返して二行で書いた際に、隣り合う二つの干が干合の相性となります。 組み合わせとなるのは、「甲と己」「乙と庚」「丙と辛」「丁と壬」「戊と癸」の組み合わせが干合の相性となります。 覚え方は「甲己(こうき)」「乙庚(おっこう)」「丙辛(へいしん)」「丁壬(ていじん)」「戊癸(ぼき)」となります。
▼四柱推命の干合の相性

▼四柱推命の干合の相性
■四柱推命の干合の相性
■干合の特徴
干合は、特別に惹かれ合う相性となる十干同士の関係性となりますが、特定の条件を満たすと五行の性質が変わるという特徴があります。 特別に惹かれ合う十干同士が組み合わさることで、新たな性質を持つ要素に生まれ変わることになります。 特定の条件になるのは、時節を得る場合であり、干合の組み合わせが適切な時節に逢うと、より特別な関係性に進化することになります。 十干同士が干合の関係となり、時節を伴う際には、特別な関係に進化して五行の性質が変わるという流れになります。
干合後、時節を得ている際には五行性質が変わりますが、この際に「陽干」は「陽干」に変化し、「陰干」は「陰干」に変化します。 陰陽が変わることはありません。 また、「甲己」の干合は「甲己化土」とされ、土行に変化することになり、「甲は戊」に変化しますが、「己は己」のままになります。 同じく、「乙庚」の干合は「乙庚化金」とされ、金行に変化することになり、「乙は辛」にへんかしますが、「庚は庚」のままになります。 その他の干合に関しては、変化する五行に合わせて十干が変化することになります。
▼干合の組み合わせ
干 | 干 | 読み | 化気 | 時節 |
甲 | 己 | こう き | 土行 | 土用 |
乙 | 庚 | おつ こう | 金行 | 秋 |
丙 | 辛 | へい しん | 水行 | 冬 |
丁 | 壬 | てい じん | 木行 | 春 |
戊 | 癸 | ぼ き | 火行 | 夏 |
▼干合と化気の組み合わせ
干合 | 化気 | 読み |
甲 己 | 化土 | こうき かど |
乙 庚 | 化金 | おつこう かきん |
丙 辛 | 化水 | へいしん かすい |
丁 壬 | 化木 | ていじん かぼく |
戊 癸 | 化火 | ぼき かか |
▼干合と干合後の十干
前1 | 前2 | 読み | 後1 | 後2 |
甲 | 己 | 化土 | 戊 | 己 |
乙 | 庚 | 化金 | 辛 | 庚 |
丙 | 辛 | 化水 | 壬 | 癸 |
丁 | 壬 | 化木 | 乙 | 甲 |
戊 | 癸 | 化火 | 丙 | 丁 |
■干合の特徴
■四柱推命での干合について
四柱推命において、実際に干合を考慮する際には、各柱の天干と地支蔵干の八干において、干合の相性となる組み合わせがあるかを考慮します。 干合の影響が、表面的に強く現れるのは天干同士の干合になり、天干と蔵干との干合はあまり表面的に出ず影響も弱くなり、蔵干同士の干合は表面には出なくて影響も非常に弱くなります。 四柱推命の流派により、蔵干の干合は影響が薄いので深くは考慮しないこともあります。 また、干合の影響が強く出るのは、隣り合う柱においての干合になります。 隣り合う柱においての干合の中でも、一番影響が出やすいのが、日柱との干合になり、日干と月干、日干と時干の干合が表面に現れやすくなります。 隣り合う柱の干合でも、年柱と月柱の干合は、上記の干合よりは弱まりますが、特徴や個性として現れやすくなります。
影響力が強い干合は、隣り合う柱における干合になりますが、年柱と日柱、月柱と時柱、年柱と時柱との干合も考慮します。 柱を挟むような干合の際には、影響力は弱くなりますが、天干同士の干合の際には看命の際に十分考慮することが必要になります。 四柱推命の流派により、影響力の強い隣り合うの柱における干合に注目し、その他の干合は参考程度にすることもあります。 地支蔵干の干合については、蔵干の考え方が流派により大きく異なるため、参考程度にした方が良いでしょう。 地支の関係については、蔵干の干合よりも、合冲害破刑などの概念を優先することを推奨いたします。
▼四柱推命の命式の例
時柱 | 日柱 | 月柱 | 年柱 | |
乙 | 壬 | 乙 | 庚 | 天干 |
巳 | 寅 | 酉 | 午 | 地支 |
丙 | 甲 | 辛 | 丁 | 蔵干 |
▼命式の例における干合
干 | 干 | 五行 |
年柱天干 庚 | 月柱天干 乙 | 金行 |
年柱天干 庚 | 時柱天干 乙 | 金行 |
年支蔵干 丁 | 日柱天干 壬 | 木行 |
月支蔵干 辛 | 時支蔵干 丙 | 水行 |
上記の命式の例では、命式内に四つの干合が存在しています。 この中では、天干同士の干合で隣り合う柱となる、年柱天干の庚と月柱天干の乙の干合が一番影響力が強くなります。 次に年柱天干の庚と時柱天干の乙の干合の影響となりますが、年柱と時柱は離れているため影響力は弱くなります。 年支蔵干の丁と日柱天干の壬も干合の関係性になりますが、影響力は非常に弱くなります。 月支蔵干の辛と時支蔵干の丙も干合の関係性になりますが、影響力は更に非常に弱いものとなります。 天干の干合は性格や環境などの目に見える部分で影響が出やすく、地支蔵干の干合は潜在意識や内面に現れるとされています。
上記の命式の例では、時節が秋の酉月(金行)となるため、年柱天干の庚と月柱時柱天干の乙は金行の性質に変わります。 庚は金行のため、そのままとなり、乙は時節を得た干合となるため、「辛」に変わります。 元の命式での看命と金行に化した命式での看命を合わせることが大事になります。
▼干合の影響の出やすさ天地
順位 | 干 | 干 |
1 | 天干 | 天干 |
2 | 天干 | 地支蔵干 |
2 | 地支蔵干 | 天干 |
3 | 地支蔵干 | 地支蔵干 |
▼干合の影響の出やすさ四柱
順位 | 四柱 | 四柱 |
1 | 日柱 | 月柱 |
2 | 日柱 | 時柱 |
3 | 月柱 | 年柱 |
4 | 月柱 | 時柱 |
5 | 年柱 | 時柱 |
■四柱推命での干合について
■干合の四柱における影響
四柱推命の命式において、干合の関係が現れてくる際には、干合の影響を考慮することが大事になります。 干合の影響を考慮する際には、四柱の象意や背景を考慮した看命と、通変星の喜忌を考慮した看命が大事になります。 基本的には、干合の関係性は相性が良い関係性となるため、良い影響があると解釈します。 しかし、干合することで五行の気が強くなることや性質が変わることから、対象となる人の忌神に変わる際には注意が必要となります。 そのような場合には、対象となる人に対して周囲が団結して圧力をかけてくるような状況になることが推察できます。
干合の関係を四柱で解釈する際には、四柱の象意や背景を考慮して解釈します。 四柱の象意には、環境や人物像などがありますが、どの柱が干合の関係となるかで、その環境や人物が強く引き合い、対象となる人に影響を及ぼすことが分かります。 年柱と月柱の干合の際には、父と母が干合し、自分に対して強い影響力を持つことが分かります。 月柱と日柱の干合の際には母親と自分、年柱と日柱の干合の際には父と自分、日柱と時柱の際には自分と子、年柱と時柱の際には父と子(父における孫)などが強く引き合い、自分に対して強い影響力を持つことになります。
干合の関係性を四柱の環境で解釈する際には、年柱と月柱の干合の歳は、社会環境と家庭環境の相性が良く自分に影響を与えます。 年柱と日柱の干合の際は、社会環境と私生活の相性が良く、月柱と日柱の干合の際は、家庭環境と私生活の相性が良くなります。 年柱と時柱の干合の際は、老後環境における社会環境からの恩恵が受けやすい相性となります。
▼四柱の環境
各柱 | 象意 |
年柱 | 社会全体 職場環境 |
月柱 | 家庭環境 人間関係 |
日柱 | 私生活 結婚生活 |
時柱 | 老後の生活 将来 子供や子孫 |
▼四柱の人物
各柱 | 象意 |
年柱 | 父親 父方の家系 上司 目上 |
月柱 | 母親 母方の家系 同僚 友人 |
日柱 | 自分自身 配偶者 |
時柱 | 子供 子孫 部下 目下 後輩 |
▼四柱の運勢
各柱 | 象意 |
年柱 | 仕事運 金銭運 社会運 |
月柱 | 結婚運 家庭運 人間関係運 |
日柱 | 人生総合運 健康運 勝負運 |
時柱 | 子供運 部下運 将来運 |
干合同士の関係性は相性が良いものとなりますが、化した後の五行が自分にとって良い影響を与える五行になる際には、非常に良い影響を受けることができます。 逆に、化した後の五行が自分にとって悪い影響を与える五行になる際には、非常に悪い影響を受けることになります。 干合自体は相性が良いものとなりますが、その影響の良し悪しに関しては、干合後の五行の気による変わります。 特に時節を得た干合の際には、影響力が非常に強くなるため、慎重な推察が必要となります。
四柱のその他の要素となる、年齢期や性質、能力や運勢なども考慮の対象とすることができます。 先の年齢域での経験が、あとの年齢域に影響を与えることや、互いの柱の能力が引き合い異なる能力を生み出すことなどを表します。 このように、干合の関係性となる四柱の象意は、自分に対して強い影響力を持つものとして捉え、その影響力の良し悪しを化した五行で推察することが基本となります。
■干合の四柱における影響
■干合の通変星における影響
四柱推命の命式の中に、干合の関係性がある際には、特別な相性として考慮することが大事になります。 各柱により、自分対してどのような影響をもたらすのかを推察することができますが、干合は命式内の通変星の解釈にも影響を与えるとして考慮することが必要になります。 干合する十干同士(蔵干を含む)は、良い影響を与え合うという相性を考慮して、それぞれの通変星を考慮することが大事になります。 各柱を背景とした干合を考慮する際には、日柱を中心にすることや、天干を中心にすることが基本となりましたが、通変星への影響を考慮する際には天干、地支蔵干共に考慮します。
通変星は、十干と十干(蔵干)の関係性を表すもので、基本は日干から各干(蔵干)との関係を参照して算出します。 このため、干合の通変星への影響は、日干を中心にして、三干四支蔵干を考慮することが大事になります。 通変星への干合の影響は、吉神となる通変星に対しては、さらに良い影響を与えて強めるのが基本となります。 凶神となる通変星に対しては、干合は凶意を弱め吉神に導くものとして捉えることが大事になります。
干合後、凶神の脅威が弱まり吉神の作用を持つことになりますが、相性の悪い七殺の関係になる際にはその剋の影響は考慮しません。 例えば、「印綬-偏財」の干合では、偏財が正財のような性質になりますが、「印綬-正財」の七殺の関係とは取らず、あくまで偏財が制化されて良い作用に変わるという流れになります。 しかし、他の通変星において、大過不及する際や陰陽混雑する際には、看命も注意が必要になります。 大過不及しているさいや陰陽混雑する際に、干合が良い影響を及ぼして問題を制化するような命式は貴命となります。
▼通変星の背景と吉凶
通変星 | 十干同士の五行 | 陰陽 | 吉凶 |
比肩 | 同じ五行 | 同 | 平 |
劫財 | 異 | 凶 | |
食神 | 生じる五行 | 同 | 吉 |
傷官 | 異 | 凶 | |
偏財 | 剋す五行 | 同 | 吉 |
正財 | 異 | 吉 | |
偏官 | 剋される五行 | 同 | 凶 |
正官 | 異 | 吉 | |
偏印 | 生じられる五行 | 同 | 凶 |
印綬 | 異 | 吉 |
▼日主陽干の干合と通変星
通変の干合 | 干合後 | 通変の作用 |
比肩 正財 | → | 比肩 正財 |
劫財 偏官 | → | 比肩 正官 |
食神 正官 | → | 食神 正官 |
傷官 偏印 | → | 食神 印綬 |
偏財 印綬 | → | 正財 印綬 |
正財 比肩 | → | 正財 比肩 |
偏官 劫財 | → | 正官 比肩 |
正官 食神 | → | 正官 食神 |
偏印 傷官 | → | 印綬 食神 |
印綬 偏財 | → | 印綬 正財 |
▼日主陰干の干合と通変星
通変の干合 | 干合後 | 通変の作用 |
比肩 正官 | → | 比肩 正官 |
劫財 偏財 | → | 比肩 正財 |
食神 印綬 | → | 食神 印綬 |
傷官 偏官 | → | 食神 正官 |
偏財 劫財 | → | 正財 比肩 |
正財 偏印 | → | 正財 印綬 |
偏官 傷官 | → | 正官 食神 |
正官 比肩 | → | 正官 比肩 |
偏印 正財 | → | 印綬 正財 |
印綬 食神 | → | 印綬 食神 |
■干合の通変星における影響
■干合する命式の性格と運勢
四柱推命において、命式を構成する干支(蔵干)が干合するような際には、その人にとって特徴的な個性として現れてきます。 天干の干合は性格や運勢に現れやすくなり、地支蔵干の干合は潜在意識や内面性に現れやすくなります。 命式を構成する干支八字を基にした看命に、干合の要素を個性や特徴として考慮して読み解きます。 干合が多くなると非常に個性的で特徴の多い人となり、人間関係や組織環境とのしがらみが非常に多くなります。 干合のない命式や干合が少ない命式に関しては、人間関係や組織環境とのしがらみが薄くなります。
干合の影響の良し悪しに関しては、干合の組み合わせの化気五行が、日主や用神にとって相性の良い五行となるかどうかで大きく変わります。 化気五行が良い五行となる際には、干合する環境や人間関係が良い影響を与えてくれ、化気五行が悪い五行の際には、干合する環境や人間関係から悪い影響を受けることになります。 良し悪しに関わらず、干合する要素に対して興味関心が強くなることや、強い縁を持つという特徴として捉えることもできます。 また、本人を取り巻く環境の仲の良さや協力体制の有無などとして推察することもできます。
干合に関しては、特に日柱が絡む干合の際には、本人への影響が強くなることから、本人の性格や個性に強く現れてくることになります。 本人のこだわりが強くなる方向性が現れてくるため、年柱への干合に関しては、社会や仕事、金銭や出世などに対して強い関心を持つことが分かります。 月柱への干合に関しては、家庭環境や家族、交友関係に対しての強い関心が現れ、時柱への干合に関しては、子供や部下、後輩や教育、老後や将来に対しての関心が非常に強いことが分かります。 興味や関心の強さ、こだわりの強さなどが干合によって現れ、その人の個性や世界観を強く表すものとして捉えることができます。
干合する四柱の象意を基に、化気五行の性質を合わせて考慮することで、興味や関心が強くなり、こだわりを持つ方向性に対して、どのような価値観を持つのかが見えてきます。 化気五行の性質の性質に関しては、基本となる五行の性質と同じになりますが、干合する前の五行も潜在的に併せ持つため、性質は非常に繊細で複雑なものとなります。 四柱の象意と化気五行の性質の性質を考慮して、本人の性格や運勢の特徴として看命することが大事になります。
▼四柱の基本的な象意
柱 | 象意 |
年 | 社会全体 職場環境 父親 父方の家系 上司 目上 仕事運 金銭運 社会運 |
月 | 家庭環境 人間関係 母親 母方の家系 同僚 友人 結婚運 家庭運 人間関係運 |
日 | 私生活 結婚生活 自分自身 配偶者 人生総合運 健康運 勝負運 |
時 | 老後の生活 将来 子供や子孫 子供 子孫 部下 目下 後輩 子供運 部下運 将来運 |
▼化気五行の十干と五常
五行 | 干合 | 五常 |
木行 | 丁 壬 | 壬 |
火行 | 戊 癸 | 礼 |
土行 | 甲 己 | 信 |
金行 | 乙 庚 | 義 |
水行 | 丙 辛 | 智 |
▼化気五行の基本的な象意
行 | 象意 |
木 | 他人に対しての優しやや思いやり 愛情の深さ 向上心と柔軟性 |
火 | 社会秩序に対しての誠実さや礼儀作法 理性と正義感 上昇志向と華やかさ |
土 | 周囲に対しての情に厚く義理堅い 誠実心が強く寛容 地道な努力と安定性 |
金 | 他人のために尽力し正義を貫く 信条に従う忍耐力とこだわりの強さ |
水 | 環境に対しての道理を理解し柔軟 知識旺盛で応用力が旺盛 自由と名誉 |
■干合する命式の性格と運勢
■相手との相性における干合
生年月日時から対象となる人の先天的な性質や運勢を読み解くのが四柱推命の基本となります。 この基本的な看命法を二人の対象に行うことで、その二人の関係性や相性を読み解くことができるようになります。 対象となる二人の生年月日時を背景として、二人の相性を考察することで、相性の良し悪しと関係性の傾向を読み解くことができるようになります。 相性というのは、恋愛結婚や男女関係における相性から、人間関係全般における相性、上司部下や親子としての相性など、様々な関係においての方向性になります。
相性が良い関係性になると、居心地が良くなることや、自然と惹かれ合うこと、興味や関心が湧くことや間が良いことなどの利点が多くなります。 相性が悪い関係性になると、居心地が悪くなることや、自然と反目すること、興味や関心が湧かずに間が悪いことなどの欠点が多くなります。 四柱推命における、相性が良いというのは、五行の相生の関係となり、相性が悪いのが相剋の関係となります。 しかし、相剋の関係の中でも有情の剋となる干合は、特別な要素として強く惹かれ合う相性として考慮することができます。 相性を判断する際には、これら相生相剋の関係を背景として干合の要素を加えることで、関係性や相性を適切に判断することができます。
四柱推命で相性を判断する際には、お互いの命式の同じ柱の関係性から相性を推察する方法と、互いの日柱を基点として、相手の四柱との相性を推察する方法があります。 「年柱同士の関係性」では、互いの世代や社会性の相性を推察することができ、「月柱同士の関係性」では、互いの環境や人間関係の相性を推察することができます。 「日柱同士の関係性」では、互いの性格や私生活への価値観の相性を推察することができ、「時柱同士の関係性」では、互いの将来像や子供への価値観などの相性を推察できます。
▼四柱同士での相性の判断
四柱 | 相性の方向性 |
年柱 | 社会や仕事の価値観 職場や金銭感覚 |
月柱 | 環境や交友の価値観 家族や人間関係 |
日柱 | 性格や恋愛の価値観 生活や結婚生活 |
時柱 | 老後や将来の価値観 子供や育児教育 |
▼五行思想での相性の判断
吉凶 | 自分 | 相手 | 吉凶 |
平 | 比和 | 比和 | 平 |
小吉 | 漏洩 | 生助 | 大吉 |
小凶 | 分勢 | 制剋 | 大凶 |
吉凶 | 制剋 | 分勢 | 小凶 |
大吉 | 生助 | 漏洩 | 小吉 |
▼通変星での相性の判断
通変 | 陽 | 陰 | 通変 | 陽 | 陰 |
比肩 | 平 | 平 | 正財 | 大吉 | 吉 |
劫財 | 凶 | 凶 | 偏官 | 大凶 | 大凶 |
食神 | 吉 | 吉 | 正官 | 吉 | 大吉 |
傷官 | 凶 | 凶 | 偏印 | 凶 | 凶 |
偏財 | 吉 | 吉 | 印綬 | 吉 | 吉 |
四柱推命における日柱を基点にして、相手の四柱との関係性から相性を考慮する際には、自分自身が相手の人生や性格、背景に対して理解を示せるかを判断できます。 自分自身の「日柱」と相手の「年柱」との関係性や相性が良い際には、相手の社会性や仕事観、金銭感覚に対して理解を示せること、無理なく受け止められることが分かります。 自分自身の「日柱」と相手の「月柱」との関係性や相性が良い際には、相手の家庭環境や人間関係に対して理解を示せること、共感して受け入れられることが分かります。 自分自身の「日柱」と相手の「日柱」との相性が良い際には、性格や価値観、恋愛や結婚などの私生活で共感が得られること、惹かれ合うことが分かります。 自分自身の「日柱」と相手の「時柱」との相性が良い際には、未来や老後、子供や教育などの将来への価値観に共感が得られ、惹かれ合うことが分かります。
あまり考慮することはありませんが、自分自身の「月柱や年柱、時柱」から相手の「四柱」との相性を判断することもできます。 このような際には、自分の家庭環境や母親(月柱)と相手との相性の良し悪し、自分の社会性や父親(年柱)と相手との相性の良し悪しなどを推察することができます。 自分の子供や将来(時柱)と相手との相性の良し悪しなども推察できますし、自分と相手を入れ替えて考察することで、相手の家族や環境と自分の相性を分析することもできます。
このように、四柱推命で相性を推察する際には、お互いの四柱を組み替えながら、五行の相生相剋の背景を考慮して推察していきます。 天干での相性が良い際には、性格や関係に現れやすく、地支蔵干での相性が良い際には、潜在意識や気持ちなどの面で現れやすくなります。 互いの命式において天干が干合する際には、単純にその柱の象意や背景が惹き合う関係として判断することもできます。 また、地支での相性を見る際には、蔵干で判断するよりも、十二支の関係性で判断する方がより適切で詳細な状況や方向性が分かります。
▼自日柱から見た相手との相性
相手 | 相性の方向性 |
年柱 | 社会や仕事、職場や金銭への相性 |
月柱 | 環境や交友、家族や血縁への相性 |
日柱 | 性格や恋愛、生活や結婚への相性 |
時柱 | 老後や将来、子供や育児への相性 |
▼自四柱から見た相手との相性
自分 | 相手の四柱に対して |
年柱 | 仕事や家系と相手の人生の相性 |
月柱 | 家族や交友と相手の人生の相性 |
日柱 | 自分や生活と相手の人生の相性 |
時柱 | 将来や子供と相手の人生の相性 |
▼四柱の象意と相性の背景
四柱 | 相性の背景 |
年柱 | 仕事 家系 社会 世代 金銭 父親 |
月柱 | 家族 家庭 交友 仲間 住居 母親 |
日柱 | 自身 性格 性質 恋愛 結婚 生活 |
時柱 | 将来 老後 娯楽 子孫 教育 子供 |
■相手との相性における干合
■命式と行運との干合の影響
四柱推命は、生年月日時の干支から先天的な性格や運勢、宿命などを推察するのが基本となります。 また、日々移り変わる年月日時の干支と、生まれた瞬間の年月日時の干支を組み合わせから、日々の運勢に盛衰強弱吉凶が現れることを行運と称し、後天的な運命として推察します。 行運の基本となるのは、生年月日時の延長となる大運を基にして、日々移り変わる年月日時と命式の関係性を読み解くことになります。 大運を大域的な運勢の背景として捉え、年月日時を局所的な運勢の背景として捉えます。
大運は十年間の運勢を六十干支で表し、年運(歳運)は一年間の運勢を六十干支で表します。 月運は一箇月、日運は一日、時運は一刻の運勢を六十干支で表します。 この大運と命式の関係性を紐解くことで、十年間の運勢の盛衰を考察することができ、この大運の背景を考慮して、各年の運勢を考察することが大事になります。 大運の運勢が吉であれば、年運が凶でも凶意は軽くなり、大運が凶であれば年運の吉意も半減することになります。 月日時の運勢も同じように、大運が基になり、年運を前提にして月や日、時の運勢を読み解くことが大事になります。
この行運の干支と命式内の干支(蔵干)が干合する際に、その柱となる事象において様々な出来事が生じてくるのが、行運における干合の考え方になります。 行運の天干と命式内の天干が干合する際には、実際に体感しやすい表面的な部分に変化が現れます。 行運の地支蔵干と、命式内の地支蔵干が干合する際には、潜在的な意識や価値観などの、目に見えない内面的な部分に変化が現れます。 実際の後天的な運命を看命する際には、行運の天干は命式内の天干との干合を優先的に考慮し、行運の地支は命式内の地支との合冲害破刑の関係性を考慮します。 命式内の通変星と行運との関係性での干合の影響や制化扶助を考慮する際には、地支蔵干での通変星との干合を考慮します。
▼各種行運と運勢の期間
行運 | 期間 |
大運 | 十年間の運勢 地支を重視 |
年運 | 一年間の運勢 天干を重視 |
月運 | 一箇月の運勢 地支を重視 |
日運 | 一日間の運勢 天干を重視 |
時運 | 一刻間の運勢 地支を重視 |
▼行運から受ける影響の方向性
対象 | 影響する運勢 |
年柱 | 社会 仕事 職場 金銭 収入 家系など |
月柱 | 環境 両親 兄弟 姉妹 血縁 交友など |
日柱 | 性格 恋愛 結婚 生活 娯楽 思想など |
時柱 | 将来 老後 子供 育児 教育 趣味など |
大運や年運が命式内の天干と干合する際には、四柱の象意や背景において価値観や環境が大きく変わることになります。 大運では十年かけて大きく変わっていくことになり、年運では一年かけて大きく変わっていくことになります。 そのため、局所的には変化に気が付かないこともありますが、長い目で捉えると大きく変わっていることに気が付くことになります。 月運や日運、時運に関しては、変化はありますが、短期的なものでもあり、比較的小さな変化という流れになります。 大運や年運では、人生の中でも大きな変化になりますが、月運は数年の中での変化、日運は数カ月の中での変化、時運は数日の中での変化という感じになります。
大運では人生の思想的な変化となり、年運では価値観の変化、月運では趣味嗜好の変化となります。 日運では興味関心の変化となり、時運では気分や気持ちの変化となるような、運勢の期間と同じように、変化にも各行運により変化に大小があります。 また、行運と年柱との干合では、社会や仕事に対しての価値観に影響があること、月柱との干合では環境や交友関係への価値観に影響があることが分かります。 日柱との干合では性格や生活、恋愛や結婚に関しての価値観に影響があること、時柱との干合では将来や老後、育児や趣味などに影響があることが分かります。 この影響が良い影響かどうかは、化気五行が体神や用神に対して良い影響を与えるかどうかで大きく変わります。
■命式と行運との干合の影響